2004 年 51 巻 p. 556-560
海浜安定化に寄与するコウボウムギ群落周辺の飛砂の特性を明らかにするため, コウボウムギ群落をモデル化した透過型傾斜粗度模型を用いて風洞実験を行い, 群落周辺の風場と砂面変化を測定した.コウボウムギ群落周辺の飛砂現象には群落形状の傾きによってもたらされる透過風速と側方風速の変化が大きくかかわっており, 風速分布, 砂の堆積位置から群落形状の傾斜角度が45°の場合に実際のコウボウムギに最も似た傾向にあることを示した.また, まばらな粗度空間で近接した2群落周辺においては, 一様に広がる場合と同じコロニー間隔でも飛砂発生量は多くなる場合があり, その量は群落形状の傾斜角度によって大きく変化することが判明した.