海岸工学論文集
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津波により海岸堤防に作用する波力に関する大型模型実験
加藤 史訓稲垣 茂樹福濱 方哉
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2005 年 52 巻 p. 756-760

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抄録

津波による堤内地の被害を最小化するためには, 海岸堤防が津波の遡上に対して安定でなければならない. 海岸堤防は砂浜の背後に設置されることが一般的であることから, 斜面上での遡上波の変形を考慮して波力の評価を行う必要がある. そこで, 孤立波を用いて縮尺1/10程度の大型模型実験を行い, 津波により海岸堤防に作用する波力を評価した.その結果, 砕波により瞬間的に大きな波圧が作用することが確認された. また, 表のりの波圧は既存の算定式では過小評価となる場合があるが, 越流による裏のりの波圧については水谷・今村 (2002) の算定式で十分に評価できた. さらに, 堤防の端部で波圧が著しく高くなることはなく, 堤防の側面の波圧は波高相当の静水圧程度であった.

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