抄録
マングローブ群落やマツ林などの海岸林は津波防災効果を持つとともに, ふだんは景観や環境保全に役立っている. 海岸林の津波減衰能力に関する既往の研究では, 樹林密度と樹高・幹径などの条件を独立に与えており, 海岸林の生態学的な特性を考慮していない. 樹木群落の樹高・幹径・立木密度などは林齢の関数であり, 津波防潮林としての機能も樹木群の時間的生長に支配されると考えられる. 本研究では, 津波防潮林の設計・管理に資するために, 津波防潮林の津波減衰機能を樹木群落の生長特性を考慮に入れ検討した. 海岸林による津波波高の減衰率に関する解と, 幹径・樹木密度の時系列変化を組み合わせ, 津波減衰機能の経時変化を定式化することができた.