抄録
港湾環境に影響を及ぼすといわれる直立型の海岸構造物壁面に付着する付着性二枚貝を中心とした物質循環を推定し, 酸素消費の観点から港湾環境に対する影響評価を試みた. 直立構造物には二枚貝類が優占し, 懸濁物食生物が36~96%占めていた. 近傍の干潟や傾斜護岸には, それに加えて藻食生物や堆積物食生物が生息しており, 直立構造物壁面には偏った生物群集が形成されていることがわかった. 二枚貝類の懸濁物摂餌量を求めると, 直立構造物幅1mあたり2.18gC/dayの有機炭素を浄化していたが, それに伴う海底への有機物負荷量, 水中での酸素消費量が大きく, 物質循環に問題があることがわかった.