海岸工学論文集
Online ISSN : 1884-8222
Print ISSN : 0916-7897
ISSN-L : 0916-7897
高潮計算精度に及ぼす入力台風気象場の再現性の影響
吉野 純村上 智一林 雅典安田 孝志
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 53 巻 p. 1276-1280

詳細
抄録
本研究では, 台風0416号によって瀬戸内海に発生した広域高潮の再現実験を行い, 高潮計算精度に及ぼす入力気象場の再現性の影響について検討した. パラメトリックな2次元台風モデルを入力値として海洋モデルを駆動させる従来型の手法と比較して, 近年急速に発展しているメソ気象モデルを入力値とする手法は, 極めて高い精度で潮位変動を予測できることが明らかとなった. 日本に接近・上陸する台風の多くは, 中心から遠く離れた場所であっても発達したアウターレインバンド (外縁部降雨帯) を伴うことがあり, 中心付近の壁雲に匹敵するほどの強風ピークを形成することがある. このような複雑な台風気象場を再現できるメソ気象モデルの適用は, 高精度な高潮予測を行う上で不可欠となる.
著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top