抄録
現地の親水性護岸や岸壁において, 越流水位を測定し, 冠水の危険性を警告するシステムとしてオンサイト越波計が実用化されている. ただし, 装置は大型ステップ式波高計を護岸に取り付けたもので, 取り付け工事が大掛かりで, 高波浪時には支柱自体が倒壊する危険性を有している. そこで, 水中や岸壁上に水圧センサーを取り付け, 簡易に越流水深を観測する改良型オンサイト越波計の開発を目的として, 水圧と越流水位の関係を模型実験で調べた. 実験の結果, 護岸前面の海中に設置された水圧計から得られた水圧波形に, 波の位相に応じた補正係数を乗じることによって越流水深を求めることができた. また, 越流流速を越流水深から求める係数を導いた.