スマトラ沖地震では, 瓦礫や乗用車等の大型浮体を巻き込みながら市街地を遡上する津波の映像が報道された. 津波による構造物の被害を適正に予測するには, いわゆる流体力としての津波波力は勿論, 漂流物の衝突による影響も考慮した構造物の設計が必須となる. この種の現象の解析には, 自由表面および浮体群の追跡, さらに流体-浮体間および浮体群間の干渉の記述が可能なモデルが求められる. そこで本研究では, このような要請に応えられるモデルとして粒子法を用いて, 浮体群を伴う津波氾濫流と構造物の衝突過程に関する数値シミュレーションを実施し, この種の現象に対する有効性を検討した.