2006 年 53 巻 p. 201-205
台風0423号の来襲によって, 円山川河口部に位置する津居山港周辺において観測潮位 (河口から約1km上流の検潮所: T. P. +1.56m) が既往最高潮位 (T. P. +1.12m) を大幅に上回り, 約90戸が床上・床下浸水の被害を受けた. 最大潮位偏差は1.26mを記録しており, 高潮数値計算, 不等流計算および氾濫計算の結果から, 高潮による寄与率は12%程度であり, 不等流計算から河口部付近では1m程度の水位差が生じていることが確認され, 浸水の原因としては急激な河川流量の増加による影響が大きいことがわかった. また, 河口部付近の水面勾配による浸水範囲への影響は二次元不定流計算からも大きいことが明らかとなった.