2006 年 53 巻 p. 231-235
タイ南西部Khao Lakを対象に, 2004年インド洋大津波に関する樹木の被害調査および津波の数値解析を行い, 津波の挙動と倒木の関連性について検討した. 被害調査では, まず津波による倒木形態を五つに分類し, その状況について整理した. また, 河川周辺のマングローブ林における調査では, 倒木の方向や漂流物の状況より, 津波が河川を遡上する流れを確認した. 数値解析では, 津波高, 浸水域および流動状況と観測記録を比較し, 妥当性を検証した. その後, 津波の計算流速を利用し倒木状況と比較した結果, 流速と樹径の関係から倒木の有無が明瞭に分かれ, 破壊限界線を示すことができた.