抄録
外洋遠方から進行する台風が, 大陸棚を通過して沿岸域に接近する場合の, 海水密度流の3次元数値解析を行なった. 表層内の水平渦流が鉛直循環流を伴い, その結果, 界面の上昇が生じた. 台風の中心より後方に最高水位が, その後方に水平渦流の中心が位置し, 界面は, 更に後方で上昇した. 界面の上昇位置は, 大陸棚外縁に至るまで台風に追従し, 内部界面の高まりは, 大陸棚外縁から外洋までの広水域に及んだ. 内部波は, 大陸棚外縁近傍で, 初期上層水深が深いほど大きな最大波高を示した後, 透過波・反射波成分と, 大陸棚外縁に沿って進む成分とに分離した. この最大波高に対する大陸棚上の内部波波高の比は, 大陸棚上の下層水深が深いほど高くなった.