抄録
近年, 諫早湾湾口部の北側海域では, 夏季に赤潮が頻発し, 水産業に大きな影響を及ぼしている. しかし, この海域での赤潮発生機構は, 未だに明らかにされていないのが現状である. 流体力学的な観点から赤潮発生に関わる基礎的な知見を得るため, 本研究ではDBF海洋レーダを用いて諫早湾湾口部の表層流動に関する現地観測を実施した. その結果, 秋季大潮期 (2005年9月20日) にDBF海洋レーダから得られた流速・流向データは, 超音波ドップラー流速計によって計測された流速ベクトルと概ねよい一致を示し, DBF海洋レーダの有効性が確認された. また, 最大5m程度の干満差と干潟域を持つ有明海中部海域での広域流況特性がDBF海洋レーダによって長期連続的に把握可能となった.