抄録
底泥の凝集, 沈降阻害, 圧密の挙動を, 流れの静圧近似3次元モデルに導入した底泥輸送の数値モデルを構築した. このモデルでは, 浮遊底質と乱流との相互作用, フロックの成長に及ぼす乱流せん断応力と濃度の関係式, 圧密による堆積層の強度増加機構, 沈降抑制効果による高密度界面の形成を考慮している. 流泥層の流動モデルにはBingham塑性体のせん断応力関係が適用され, 圧密モデルでは底泥の骨格構造や応力関係をフラクタル理論により表示したGibson方程式が用いられている.このモデルをインドネシア, 東カリマンタン州のマハカム川の淡水・海水交換過程, 底泥輸送のシミュレーションに適用しUtrecht Universityの観測結果との比較からモデルの再現性を検討した.