抄録
富士海岸の東端に位置する沼津工区 (通称千本浜海水浴場) では, 隣接する沼津港防波堤の影響による沿い波などにより来襲波浪が増大し, 砂浜の侵食が生じたことから, 人工リーフと養浜を用いた侵食対策が実施され1999年度に事業が完了している. 事業完了後の地形変化や波浪観測結果を基に, これらの効果を長期的視点から分析したところ, 当初計画どおりの保全効果を持続的に発揮していることが確認された. また人工リーフと養浜を複合的に組み合わせることによって, 人工リーフの規模の縮小を図れること, 5年以上にわたり維持養浜することなく安定な海浜を維持可能であることが判明し, 今後の海岸管理システムについての有用な示唆を得た.