抄録
2002年, 2003年に石狩湾において流動, 巻き上げ, 沈降量等に関する調査を実施し, また土砂移動シミュレーションモデルを構築し石狩川から流出した懸濁物質の石狩湾内における収支, 移動特性を検討した.石狩湾では冬期の季節風が強まる時期に底質が巻き上げられ, この時期に海底付近で卓越する南西~西南西に向かう流れによって底質が輸送されていると考えられる. また, 融雪期~夏期にかけては底質の巻き上げ量は少なく, 流出した懸濁物質は東岸沿いに堆積している. 2002年に石狩川から流出した約0.9×108kgの懸濁物質の約60%は水中に懸濁し, もしくは沖に流出しており, 湾内に堆積した底質も加えると年間では約3×108kgの土砂が沖に流出していると考えられる.