抄録
著者らは,「存在従属」をオブジェクト指向分析(OOA)に導入することを提案している.本稿では,存在従属の応
用の一つとして,情報処理システムの処理シーケンス(ユースケースのイベントフロー)を検証・生成する手法を
提案する.具体的には,クラス間の存在従属関係を非サイクリック有向グラフ(DAG)と見なし,外部から与えら
れた自然言語による仕様記述とは無関係に,DAG の上流から下流に流れるイベントフローを生成する.そして,こ
の生成されたイベントフローを外部から与えられた仕様記述と比較・照合することにより,自然言語から生成され
たイベントフローが持つ無駄・矛盾を検証し,仕様記述を修正する.