抄録
近年では,個人情報であっても複数の組織にまたがって管理されており,アクセス制御サーバを外部化し,多
様な連携利用を可能とすることが求められている.そうした複数の組織で管理される個人情報には高度な機密性
や,アクセスに緊急性が求められるケースも想定される.そうした情報へのアクセスの利便性を保ちつつ適切な
アクセス制御を行わなければならない.
そのため,本研究プロジェクトではオブジェクト指向ペトリネットによるワークフローを文脈とし,それに基
づいてアクセス制御を行う,文脈指向ロールベースアクセス制御モデル(CxAC) を提案し,アクセス制御サービ
スを実現してきた.
本報告では事例研究を通して,文脈を意識したアクセス制御の有用性を示すとともに,応答性に対する定量的
評価を行い実用可能性を確認した結果を報告する.