情報システム学会 全国大会論文集
Online ISSN : 2433-9318
第13回全国大会・研究発表大会論文集
選択された号の論文の39件中1~39を表示しています
S1-A.社会システム/情報デザイン
  • 張 賀, 奥野 祥二, 内田 智史
    セッションID: S1-A.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
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    既存研究[1] では、読者の理解力を向上させるため、知識を基本編・応用編などに分けて、難易度が変更できる電子書籍を提案した。先行研究[2] では、難易度を変更する電子書籍の著者の負担を減らすために、電子書籍テキストエディタを開発している。本研究では、難易度を変化する電子書籍のコンテンツを表示するためのHTML5を用いた電子書籍用リーダを開発する。読者がわれわれの提案する難易度を変化する電子書籍を使用するに際して、本リーダを用いれば、その読者が違和感がないように読み進めることができるように検討している。
  • 谷合 大, 奥野 祥二, 内田 智史
    セッションID: S1-A.2
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
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    一人の読者の理解力には波があり、一冊の書籍の内容に対しても、その読者が理解し易い部分や理解し難い部分がある事が考えられる。そこで、読者が必要性に合わせ文章の難易度を各節毎に選択し変更できる、新たな形態の電子書籍を我々は提案している。これは、書籍を小分けにし、難易度分けする事で、少しでも書籍の難易度の波を、読者の理解度の波に対して近付けようという試みである。 しかし、この書籍の執筆には、難易度選択のユーザインタフェース設計や小分けした文章の管理等、通常の書籍の執筆よりも大きな負担が、執筆者に生じると予想される。そこで、我々はこの難易度が変化する電子書籍の執筆補助の為の専用エディタの開発を行っており、そのエディタに必要な機能について検証している。
  • 森 薫, 安藤 美沙子, 大木 弓依, 北畠 瑠里, 三浦 爾子, 古川 貴雄
    セッションID: S1-A.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    増大し続ける社会保障費の抑制に向けて、健康で日常生活に制限が無い期間である健康寿命の延伸が求められている。健康寿命延伸のためには、健康意識の高い人が健康増進に取り組むだけでなく、健康格差や健康無関心層といった社会的・個人的要因によって健康づくりに参加しない人に対しても、効果的にアプローチすることが重要である。特に時間的な制約から健康づくりに取り組めない人が多い現状がある。提案方式においては、スマートフォンのプッシュ通知を利用し、歩行習慣の行動変容を促す。歩数データの履歴からプッシュ通知の効果的なタイミングを検出することで、個人のライフスタイルに応じた行動変容を促すことが可能となる。
  • 安藤 慧, 飯島 正
    セッションID: S1-A.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
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    本論文では,火災発生時の建物内からの避難において,被災者を特定の経路に集中させず分散させることで,避難効率を向上させる誘導経路の探索手法を提案する. 本手法では,発災時の屋内被災者分布が,ある程度把握できていることを前提に,単純化した避難シミュレーションを行い,IoT センサで取得した災害状況に応じて,経路上の混雑状況を推定する.そのもとで,避難者全員が避難に要する平均時間を最小化する経路の探索を最適化問題としてとらえ,遺伝的アルゴリズム(GA) を利用する. 各種IoT センサが設置された,ホテルや大学の研究室のような間取りを持つ建物において,火災発生から短時 間の間に避難経路を求め,各室へ通知する想定のシミュレーション実験を行い,その条件下ではあるが,本手法 の有効性を確認した.
  • 椋本 大輔, 森山 真光
    セッションID: S1-A.5
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
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    近年、Webサイトによる情報発信は重要な位置を占めている。Web閲覧者の動向を調査する上で有効な手法にマウスカーソルの軌跡を用いた分析がある。既存の手法では、時間毎、空間毎に分析する手法が多く存在するが、膨大な軌跡からWeb閲覧者毎の特徴を掴むのは困難である。そこで本研究では、マウスカーソル軌跡をIPアドレス毎に分類し、K平均法を用いたクラスタリングによる行動分析手法を提案する。
S2-A.ビジネスと情報システム/社会システム
S1-B.人材育成/新しい情報システム・アプローチ
  • 飯塚 康至
    セッションID: S1-B.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
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    学校教育における情報系のテキストは、情報の鮮度という点で体系化したテキストを長期間利用することが困難であり、スライド やプリントにて対応する場合が多い テキストがない場合は、生徒や学生の予習復習における テキストの 利用や書き込みが困難であり、実質学習時間の確保の妨げとなっている. 一方、近年のインターネットや印刷技術の発達は POD (プリント・オン・デマンド による出版を可能とした POD を利用することで鮮度の高い体系化した情報を印刷物として、生徒・学生に 配布できると 期待できる. そこで本稿では POD を利用してテキストを作り、印刷物を入手する までの 過程を実証 実験 し、学校教育のテキストとして POD 出版が 利用可能か検証した. その結果、 大きな手間もなく良い品質のテキストが作成可能であることがわかった.
  • 坂上 博俊, 森山 真光, 上田 翔太
    セッションID: S1-B.2
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    情報分野の発達によって企業の情報化が進む中,情報漏洩など人に起因する問題が増えてきたことによって e ラーニングによる情報セキュリティ教育が注目を浴びている. しかし, 従来のシステムではユーザ自らがログインし,教育を受けるなど, 自主的に学ぶシステムであるため確実に教育が行われないという問題点がある. よって本研究では, 強制的に情報セキュリティ教育を行うシステムを開発し評価を行う.
  • 魚田 勝臣, 大曽根 匡
    セッションID: S1-B.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    本研究のテーマである人間中心情報システムは、情報システム学会が提唱する人間中心情報システムのことである。そして、人間中心情報システム教科書というのは、 一般情報処理教育カリキュラム J07 GE での呼称である一般情報処理 教育 の 教科書に対応する。 本研究は二つの意味で人間中心情報システム を目指す ものである。 第一は、編纂して出版した教科書が 利用者指向の 情報システムを教授するものであること。 第二は、教科書編纂の活動が人間中心情報システムであること。 そして、両者がともに持続可能 サステナ ブル であること。 以上の結果、持続して広範囲かつ多 分野に利点をもたらし、 これまでのところ一定の支持を受けて信頼を保つ ことができた。 未完成ではあるが、人間中心情報システムとは何かという議論への誘い水になることを願っている。
  • 杉野 隆
    セッションID: S1-B.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    情報セキュリティ( IS )の重要性が強まる中 組織における ISMS の構築・運営を推進する IS 人材のトップレベルを提示することは, IS 専門家の確保,人材育成において重要な意味がある。 ISO/SC27WG1 SC27WG11にお いて筆者が参加するプロジェクトの 5 年間の活動の成果として国際規格 ISO/IEC 27021 が年内に成立する見通しである。本報告では,この国際規格の目的,開発経緯,内容の概略を紹介する。また,情報システム分野における他の専門家育成,国際標準化との関連にも触れる。
  • 臼井 由樹, 金田 重郎, 中田 喜文, 古田 克利
    セッションID: S1-B.5
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    我が国では,ソフトウェア技術者の約 3/4 が I CT ベンダあるいは大手製造メーカの ICT ベンダ部門に属し,残りの 約 1/4 が顧客側企業 SE (社内 SE )に属す.一方,米国では逆に社内 SE が約 3/4 である.この日本固有のソフトウェア技術者の分布比率は,彼ら 彼女 ら の仕事満足度・生産性及び生産性決定に影響を与えると考えられる.本稿では,上記問題意識に基づき技術者の主観的な評価に基づく生産性と生産性決定要因の分析を行った.分析対象は,IPA RISE2014 年 度ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業 「日本のソフトウェア技術者の生産性及び処遇の向上効果研究:アジア,欧米諸 国との国際比較分析のフレームワークを用いて」 (代表者:中田喜文)で収集された個票データである.分析は,データを社内 SE とベンダ SE に分けて行った.分析の結果,社内 SE とベンダ SE では,主観的な生産性評価については,有意な差が存在しないことが確認できた.一方,生産性決定要因のうち,「仕事独創性」は社内 SE が,「教育・育成に関する人的資源管理」については,ベンダ SE が,それぞれ有意に高い結果と なった.また,社内 SE 及びベンダ SE については「仕事独創性」及び「教育・育成に関する人的資源管理」変数が,主観的生産性変 数との間に有意な正の相関性が存在することが確認された. ここから 日本のソフトウェア産業の生産性を向上させる要因として,独創性を発揮できる環境及び教育・育成環境が有力な候補であることが示唆された.
S2-B.新しい情報システム・アプローチ/社会システム
  • 金田 重郎, 劉 湘涛, 森本 悠介, 井田 明男
    セッションID: S2-B.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    関係モデルではテーブルの正規性を重要視する.一方,クラス図では正規性は重要視されない.アプリケーショ ン(以下「AP」と記す)の実装時には,クラスを非正規化し,他インスタンスの属性値を,当該インスタンスの 属性値としてコピーする事が行われている(コピーして持ってきた属性値を以下「View 的属性値」と呼ぶ).こ の非正規性は,AP の内部構造・処理を複雑にして,工数を増大させる.この問題を解決するため,本稿では,プ ライマリーキーに非推移的関数従属する属性のみをクラスの属性とするオブジェクト指向分析・設計手法を提案 する.View 的属性値は,多重度1 の関連を辿り,他インスタンスから取得する.但し,View 的属性値をアクセ スするのは,インスタンスの状態が時間的に変化した後である.そこで,インスタンスの履歴はすべて記録する. あるインスタンスのView 的属性値が必要な場合は,タイミングを考慮して,当該インスタンスから多重度1 の関 連を辿って属性値を取り出せば良い.
  • 古賀 広志
    セッションID: S2-B.2
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    近年、社会物質性という考え方が注目されている。それは、システム開発の開始時点で、組織と技術を分離して考慮するのではなく、組織的行為=情報実践の中で両者が浮かび上がってくるとする考え方である。しかし、その視座はシステム設計に役に立つのか、という批判が少なくない。ところで、社会性物質の視座は、ソフトウェア工学におけるアジャイル開発の設計思想と軌を一にする点が少なくない。そこで、本稿では、アジャイル開発における社会物質性の意義を探ることにしたい。そのために、まず問題の所在を明らかにし、次いで社会物質性について概説を行い、最後にアジャイル開発の実践的意義について私見を述べることにしたい。
  • 森 文哉, 飯島 正
    セッションID: S2-B.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    屋内火災の対策として有効な避難計画を立案するために,避難シミュレーションは重要な立ち位置にある.しか し,シミュレーションを実行するには,様々な要素を設定する必要がある.本研究プロジェクトでは,Social Force Model を拡張した避難者モデルを利用した屋内避難シュミレーションにおいて,シミュレーションの実行を容易 にするためのシナリオ記述方法として,ドメイン固有言語(DSL) を設計・評価することを試みている.本報告で はその現状を報告する.
  • 森田 武史, 柏木 菜帆, 萬 礼応, 鈴木 秀男, 山口 高平
    セッションID: S2-B.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    ロボットを活用したサービスを開発するためには,様々な AI要素 技術や複数のロボット・センサーを統合しなけ ればならない.しかしながら,現状では,そのような統合知能アプリケーションの開発には,多大なコストを要し ている 現在,知識推論,音声対話,画像センシング,動作計画,機械学習を統合して,開発者ではなく,エンド ユーザが容易に統合知能アプリケーションをデザイン・開発できるプラットフォーム PRINTEPSの研究開発を進め ている.本発表では, PRINTEPSの応用事例として,大学の 学園祭にて行ったマルチロボット喫茶店の実践につい て報告する.また,ロボット喫茶店を体験した顧客のア ンケートより,サービス品質の観点から行ったロボット喫 茶店の評価についても報告する.
S1-C.社会システム/新しい情報システム・アプローチ
S2-C.社会システム/新しい情報システム・アプローチ
  • 溝口 徹夫
    セッションID: S2-C.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    本資料では、四次元データ(国土交通省公開データ)を利用し、羽田空港を例として、航空 管制での安全維持のための、飛行間隔の分析結果と予測方法を示す。飛行間隔に時間間隔を 採用し、ターミナル領域での先行/後続到着フライト間の時間間隔の特性とその変動要因を分 析し、その結果から飛行間隔の予測、飛行時間の予測について概略の方法を示す。但し、実 装は行っていない。
  • 永田 奈央美
    セッションID: S2-C.2
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,情報リテラシ教育へ反転授業を導入し,グループでの学習時間を多く費やし,協調態度の個人差を減少されることを試みた. そして,教師が膨大な負荷的労力をかけず反転授業形式に変える教授方法と教材改訂法について検討した. さらに,事前学習において学習者らがグループのメンバと意見交換することができるコミュニケーション ツールを設定した.本ツールから学習者間の会話データを解析し,対人認知構造図を抽出する仕組みを考案した.本稿では,反転授業を導入した情報リテラシ教育で必要な教材と開発した 対人認知構造図抽出システムについて詳述する.
  • 尾崎 稜太, 飯島 正
    セッションID: S2-C.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    近年では,個人情報であっても複数の組織にまたがって管理されており,アクセス制御サーバを外部化し,多 様な連携利用を可能とすることが求められている.そうした複数の組織で管理される個人情報には高度な機密性 や,アクセスに緊急性が求められるケースも想定される.そうした情報へのアクセスの利便性を保ちつつ適切な アクセス制御を行わなければならない. そのため,本研究プロジェクトではオブジェクト指向ペトリネットによるワークフローを文脈とし,それに基 づいてアクセス制御を行う,文脈指向ロールベースアクセス制御モデル(CxAC) を提案し,アクセス制御サービ スを実現してきた. 本報告では事例研究を通して,文脈を意識したアクセス制御の有用性を示すとともに,応答性に対する定量的 評価を行い実用可能性を確認した結果を報告する.
  • 片貝 惇哉, 福田 浩章
    セッションID: S2-C.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    近年, ソフトウェアの脆弱性やマルウェアによる被害が問題となっており, その検査のため, プログラムの解析 が行われている. これらのプログラムは, バイナリで配布されることが多いため, その振る舞いを理解するにはバ イナリを理解する必要があり, また, 通常のプログラムはOS のシステムコールを利用しているため, OS の知識も 必要である. そのため, 技術者育成のためにはバイナリやOS など, 低レイヤーの教育が求められる. また, OS は 非同期な割り込みにより動作するため, その状態を追うには困難であり, その理解にはOS の実装を学ぶ必要があ る. しかし, OS の実装は, 動作するまでに, 多くの知識が必要であり, その学習コストは高い. そこで, 段階的に学 習できる実践的な学習環境を提供することで, 低レイヤーの技術者育成を目指す.
S1-D.社会システム/新しい情報システム・アプローチ
  • 塩川 寛, 石井 信明
    セッションID: S1-D.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    製造現場での品質改善活動の中には、その努力にもかかわらず、効果の期待できない予防策や検査・試験等が含 まれていると思われ、結果、それが隠れ た品質コストとなっている。 隠れた品質コストの中でも、過剰品質となっていると思われる予防策・検査方法等に ついて、その予防コスト、 評価コストの判断方法 ・ 基準 など について検証し、過剰品質コストの低減への課題を検証する。 特に検査方法については、完璧な予防策が難しい ため 、 できあがった もの に対して 検査が必要 となることにより 、 検査する内容が拡大していく傾向が大きく、縮小されていく傾向は少ない 。そうした 点からの課題、 および その活 動 の 支援 に必要な 情報システム上の課題を検証する。
  • 西野 嘉之
    セッションID: S1-D.2
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    業務システムの構築を行うには、ユーザが画面を設計し、エンジニアがデータベース(DB)設計を行い、合致す るDB 項目と画面要素をプログラミングすることでシステムが完成する。ユーザは画面設計をしてもDB 設計が正 しいかどうかを判断することができない。そこで、本研究ではユーザがシステムを構築する際に思考するプロセス に従い、画面を作成すると、自動的にDB 設計が行われ、DB が生成される方法を提案する。その結果、プログラ ミングすることなく、ユーザ自らの手でシステムを構築できることを示す。
  • 松平 和也
    セッションID: S1-D.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    日本社会には, 目に見えないバリヤーがいたるところに張り巡らされてある. この障碍に阻まれて社会の弱者は, 区別され差別され, 侮辱され, 虐げられている. 弱者は, 死に至ることもある. 小中高生のいじめ自殺や老老介護 殺人などの例がそれである. この現実を考慮せずに, 情報システム化を進めても, まったく意味の無いシステムが 生まれるだけであり, 問題解決に至らない. バリヤーは他者を知ることを, 直接的間接的に邪魔をしているのであ る. 生きている他者に優しく振舞えるということは, その他者を良く知ることから始まる. 本論では, 破倫的社会 に横たわる, 無慈悲な現実制度の改革を図り, 倫理的な情報システムを確立するための人間中心アプローチの必要 性を訴える.
  • 川村 丈志
    セッションID: S1-D.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    基礎情報学[1]に於けるHACS/心的システムは, 心理学・精神医学・AI開発領野に適応することで, 哲学に於いて は永遠に破棄されたかにみえても今なお我々/社会とアプリオリに住まい続ける<思考機械/客観世界:二元論> モデルを蕩揺し, さらに<身体行為/環世界:意識の自然[2]>モデルへと, その礎の学際的・実践的転回が可能で あろう.と同時に各学域から共有可能な理論的・事例的接続の磁場も不可欠である. 本研究者は大黒岳彦の「世界身体」[3], 及びフリードリヒ・キットラーの「書き込みのシステム」[4]を, 前者は <身体行為/環世界:基盤>, 後者は<観察者/記述者:機序>, 各概念の触媒としてそこに措定する. さらに意識の萌芽と変遷を学際的に遡り, 別の仕方で, 再プロッティングすることで, 弁証法的に作業仮説が検 証され鍵概念が解像度を高めてレンダリングされる.これらを「新実在論」の磁場[5]で覚醒させることで, 諸概念 は自ずと共鳴し, 訴求力ある<こころ2.0>パラダイムは創発されるであろう.本発表はその概要の素描である.
  • 古川 俊輔, 奥村 拓海, 飯島 正
    セッションID: S1-D.5
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    現在,地方自治体は,自然災害から被災者を守り,被害を低減させるための災害対策/避難計画を立案・改善す ることが急務とされている. 本研究プロジェクトでは,入手可能な地理情報に基づき,粒子法(SPH 法)によ る津波シミュレーションと,エージェントベースドシミュレーションによる避難行動シミュレーションを統合し, 広域避難計画立案に利用することを試みている.地理情報としては,国土地理院が発行する基盤地図情報と数値 地図(国土基本情報),日本海洋データセンターの発行している水深データ等を利用している.本報告では,この 研究プロジェクトの現状を報告する.
S2-D.ビジネスと情報システム/新しい情報システム・アプローチ
  • 中山 義人, 森 雅広, 成末 義哲, 森川 博之
    セッションID: S2-D.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    属人性が高く、規則性の把握が難しい意思決定プロセスの効率化を目的として、プロセスマイニング手法を活用し た業務意思決定の支援システムを構築している。定型的な業務プロセスを対象とした従来のプロセスマイニング手 法と比較すると、メール文章などの非構造化データを対象としたプロセス発見、さらには意思決定選択肢の理由を 含めたリコメンド、またそのフィードバックによるプロセス強化などで多くの課題がある。筆者はそれぞれに機械 学習モデルを適用することで、効果的な業務意志決定支援システムの構築を試みており、その設計段階において多 くの知見を得ることができた。
  • 沖田 勇馬, 飯島 正
    セッションID: S2-D.2
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    近年,ビジネスの規模拡大やプロセスの複雑化・多様化によって業務プロセスのモデリングが難しくなりつつ ある.迅速かつ正確なモデリングを目標とし,従来必要であったモデリングの専門家を介すことなく,対話的な操 作を通じてユーザ単独でのモデリングを支援するシステムを提案する.同システムは,ユーザが入力した複数の 実行系列に対し,プロセスモデル発見アルゴリズムによってプロセスモデルを生成し提示する.加えて,生成モ デルの構造やタスクの意味情報に基づいてユーザ入力の改善を促す提案を提示する.それに基づき,ユーザが先 に与えた入力(実行系列集合)を修正することで,ユーザが真に求めているプロセスモデルに近づく精緻化・洗 練化作業を繰り返し,漸進的にプロセスモデルを構築する.同方式の実現可能性について報告する.
  • 西野 嘉之
    セッションID: S2-D.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    上場企業の有価証券報告書は公開されており、企業情報を得ることができる。企業分析を行う際、その企業の課 題を把握し、財務データと紐付けることで、課題に対する解決策を評価する必要がある。しかしながら、有価証券 報告書内の「対処すべき課題」などのテキストデータは、重要な情報であるにも関わらず、定量的な評価をするこ とができない。そこで、本研究では、「対処すべき課題」の文章がどれだけ似ているかを表す類似度を人工知能(AI) により数値化し、同一企業の財務データとテキストデータを時系列に紐づけて比較検討する方法を提案する。その 結果、企業の経営方針の安定度を評価することが可能であることを示す。さらに、分析プロセスによって、人間中 心の情報システムとは、人間の行動に沿って時系列に情報を整理することが重要であることを示す。
  • 帯刀 洋太, 森山 真光
    セッションID: S2-D.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    SOAP はXML を用いて文書交換や遠隔手続呼出をする通信規約であり,冗長性に起因する通信量の増加が問題 となっている.既存の手法として,複数のSOAP メッセージをアグリゲーションし通信量を軽減させる手法が提案 されている.企業間電子商取引のシステムでは安全性の向上を目的として,SOAP の拡張仕様であるWS-Security を適用することが一般的である.そこで,WS-Security を適用したSOAP メッセージに対して既存の手法を適用 し評価する.
S1-E.社会システム/新しい情報システム・アプローチ
  • 川部 勝也, 福田 浩章
    セッションID: S1-E.1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    IoT の普及に伴い, 無線センサネットワーク(WSN) は広く利用され始めている. 従来のWSN は, ノードにデ プロイしたアプリケーションのみをサポートするという方式を取っていた. しかし, この方式は新しいアプリケー ションのためにノードを再利用できないという欠点があった. 近年のWSN のOS はその問題を解決するために, ノードの物理的なコンピュータリソースを仮想化することで複数の独立したユーザーによる使用を可能にしてい る. これらのOS やそれに付随するミドルウェアでは実行するプログラムをネットワーク経由で各ノードにデプロ イすることでWSN の管理者が個々のノードに手作業でプログラムをインストールする必要がない. しかし, デプ ロイされたプログラムの安全は保証しないため, ノードが不正なプログラムを実行してしまう可能性がある. プロ グラムの認証にはホワイトリストの導入で, 確実に可能である. しかし, ホワイトリストをWSN の一つのノード で管理すると, アクセスが集中し, バッテリーが消費されてしまう. その結果, ノードのダウンによってそれ以降の プログラムの認証が不可能になってしまう. そこで本研究では, 分散ハッシュテーブル(DHT: Distributed Hash Table) による, 実行可能なプログラムから 算出したハッシュ値をホワイトリストとして管理することで, アクセスを分散しつつ, プログラムの認証を行う機 構(DAAS: Distributed Application Auhenticate System) の提案と実装を行う.
  • 奥村 拓海, 飯島 正
    セッションID: S1-E.3
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、マルチエージェントシミュレーションを用いて推定した被災者の行動をもとに、時々刻々変化す る状況に対応した,効率的な被災者誘導支援の実現を目的としている.本論文では,動的に表示内容を変更でき る避難誘導指示(デジタルサイネージ)の設備配置の選定戦略と,表示内容の生成に関して,シミュレーション に基づく意思決定支援を行った. 設備配置の選定戦略としては,対象地域の地理情報・統計情報から,住民が多い地域や,多くの道路に接して いる交差点などを探し,自動でデジタルサイネージの配置場所の有力候補を選定した.その有力候補ごとに避難 シミュレーションを行うことで,避難時間および避難者数を比較し,最も効率的なデジタルサイネージの設備配 置案を選出した.さらに,そもそもデジタルサイネージを設置していない場合と,設置した場合とを比較し,そ の効果の評価も試みた. シミュレーションにより設備配置案を評価し,自治体担当者の立案支援に利用することは可能であるという結 論は得られたが,その信頼性をデータに基づいて向上させるためには更なる研究が必要といえる.
  • 山田 耕嗣, 青沼 亮太, 大嶋 智子, 高橋 徹
    セッションID: S1-E.4
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    今般,我々は一般 企業で利用されているクラウド型ビジネス情報システム構築サービス サイボウズ社 kintone を 活用し,学部生の卒業研究指導システムを構築,運用 を行った.実践初年度の知見から kintone へのログイ ン数が研 究業績に影響を与えることを踏まえ,ログインを促すための機能強化として IoT 連携による入室管理機能を開発し た.さらに下級生への就活支援として卒研情報と就活情報の分割を図った.さらに研究業績に影響を与える質的 項 目が他 にも存在することを探索的に調査し,教員・学生間のコミュニケーション間隔の偏差が小さいほど, また報 告のテキスト文字数が多いほど, 卒業研究評価 に好影響を与えることを推定した.これらは情報システム構築サー ビスとしての kintone が簡便なツールであること,極めて高い拡張性を有することで実現している. K intone は今後 さらなる課題解決に寄与する可能性を有している.
  • 刀川 眞
    セッションID: S1-E.5
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/07/17
    会議録・要旨集 フリー
    「人間中心の情報システム」の理念が提唱されてから四半世紀以上が経つ. しかしこの理念 が社会にどの程度 浸透しているのか, あるいはそもそも人間中心システムが増加しているのか定かでない. このような状況の背景 として 「人間中心」 の定義付けや具体化などが不十分なことが挙げられる. そこで人間中心の情報システム の理念 の深耕の必要性を指摘し 検討のポイントとして(1)「人間」 の限定,(2) 「人間中心」の要件と効用の明確化, (3)人間中心を考える上での合理性の是認,(4)組織・社会の鏡像としての情報システムの認識,を提案 する.
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