情報システム学会 全国大会論文集
Online ISSN : 2433-9318
第13回全国大会・研究発表大会論文集
セッションID: S1-E.3
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S1-E.社会システム/新しい情報システム・アプローチ
広域緊急避難における効率的な誘導方式のマルチエージェントシミュレーションによる立案支援
*奥村 拓海飯島 正
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抄録

本研究では、マルチエージェントシミュレーションを用いて推定した被災者の行動をもとに、時々刻々変化す る状況に対応した,効率的な被災者誘導支援の実現を目的としている.本論文では,動的に表示内容を変更でき る避難誘導指示(デジタルサイネージ)の設備配置の選定戦略と,表示内容の生成に関して,シミュレーション に基づく意思決定支援を行った. 設備配置の選定戦略としては,対象地域の地理情報・統計情報から,住民が多い地域や,多くの道路に接して いる交差点などを探し,自動でデジタルサイネージの配置場所の有力候補を選定した.その有力候補ごとに避難 シミュレーションを行うことで,避難時間および避難者数を比較し,最も効率的なデジタルサイネージの設備配 置案を選出した.さらに,そもそもデジタルサイネージを設置していない場合と,設置した場合とを比較し,そ の効果の評価も試みた. シミュレーションにより設備配置案を評価し,自治体担当者の立案支援に利用することは可能であるという結 論は得られたが,その信頼性をデータに基づいて向上させるためには更なる研究が必要といえる.

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© 2017 一般社団法人 情報システム学会
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