抄録
昨今、ベテラン社員のリタイアに伴う技術・技能の継承問題がクローズアップされている。この中で、ややもすると、匠的熟練技能の消失にスポットがあてられがちであるが、実は、組織総体としての技術・技能の維持・向上が求められている場合も多い。そのような場合、個々には文書化可能である反面膨大な知識を様々な局面において取捨選択し組み合わせられることが求められ、また、過去からの継承だけでなく継続的な進化が求められている。本稿では、そのような知的熟練としての技術・技能の組織的蓄積にスポットをあて、オントロジーによる支援の可能性について考察する。