抄録
ソフトウェア規模の増大に伴い,ちょっとした間違い(グリッチ)が大事故に繋がるリスクが高まっている。組込み分野の欠陥は意外な結果となり目立ち易い。しかし,大企業の情報システムはもっと複雑な場合が多く,また機器のように比較的閉じた世界にはない。ソフトウェアの複雑化はグリッチを招き,社会問題ともなり得る。設計までの考慮漏れの場合はテストもされないため,防止策の立案は容易ではない。保険制度等はあるが,予防ではなく賠償策である。本稿ではグリッチの予防に必要な事を整理し,最近のプロジェクトで効果のあった策を示す。