情報システム学の枠組み

抄録

「人間中心の情報システム」をめぐる知としての情報システム学は、いかなる枠組みをもつべきか。前回に続いて、西垣通の基礎情報学をベースに議論を展開する。西垣は、情報を、生命情報から社会情報へ、さらに機械情報へと位相を変えるダイナミックなプロセスの中で捉え、実存する心や社会システムを階層的オートポイエティック・システムとみることで、新しい情報学の地平を切り拓いた。「人間中心の情報システム」をこのような観点からみたとき何がみえてくるか見定めながら、独自の情報システム学のあり方について考えたい。