情報システム学会 全国大会論文集
Online ISSN : 2433-9318
第4回全国大会・研究発表大会論文集
セッションID: B2-1
会議情報

B2 一般セッション ビジネスと情報システム
企業情報システムの全体最適化のマネジメントに関する一考察
*依田 祐一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本論文では、事業の多角化やグローバル化を展開している大企業の情報システムとそのマネジメントに着目する。 実務的な問題意識である企業情報システムの全体最適化について、情報システム部門の組織形態及び組織間関係に着目し、経営学の関連理論のレビューを通じて、理論が示唆する点と理論的な問題の所在を明らかにする。 大企業において、多角化やグローバル展開の際に事業間の情報システムを全体最適化することが共通的な経営課 題となっている。企業の経営戦略や経営課題への対処方法を理解する手段として、組織構造を分析することにより 当該企業の経営戦略の一端が明らかになると考えられるが、企業ごとに多様な情報システム部門の形態(内部化、 機能分担会社・子会社、IT ベンダーとの資本提携、IT ベンダーへの包括アウトソーシング等)があり、この形態を 分析する十分な枠組みが無い中において、組織形態等を選択している現実があると捉えている。筆者はこの共通的 な課題に対して、経営戦略の有効性を検討する分析枠組みが求められていると考えている。経営者がどのような視 角からこの課題を捉えることが有効であるか、有益な示唆を与えてくれる分析枠組みである。 この課題は、主に経営戦略論に端を発しつつも事業システム論、組織間関係論を射程に入れた内容と想定してい る。本論文では、主要な関連理論として、取引コスト/資源依存/協同戦略/資源ベース/学習の5つのパースペ クティブを簡潔にレビューし、本テーマの検討に有効な基礎となる理論枠組みについて提案する。
著者関連情報
© 2008 一般社団法人 情報システム学会
前の記事 次の記事
feedback
Top