抄録
任意の画像をマーカーとするARでは,マーカーの姿勢検出が重要となる。それに加えて,ARを携帯デバイスで行うためには,高精度かつ高速なアルゴリズムでなければならない。
従来手法では,ORB特徴を保持したデータベースを利用することで姿勢検出を行っていた。しかし,その精度が常に十分というわけではない。そこで,本研究では,従来手法で行われる点座標の推定の際に,補正処理を加えることで,姿勢検出精度の改善を試みた。補正処理では,推定した点座標に対し,その近傍画素を走査することで,より正しい点座標へ置き換えることを行った。
評価実験から,提案手法により姿勢検出精度が改善されたことを確認した。特に,従来手法で姿勢検出精度の低かったマーカーにおいて,大幅な精度改善を確認した。