産業応用工学会全国大会講演論文集
Online ISSN : 2424-211X
2022
会議情報

水中光無線通信を用いた水中航走体の遠隔制御に関する研究
*志村 朋人*今井 弘道*林 栄誉*後藤 慎平
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 31-32

詳細
抄録
日本は世界第6位の排他的経済水域を持つ海洋大国であるが,諸外国と比較して海洋資源の活用が進んでいな い。しかし,昨今のエネルギー不足や地政学的リスクの上昇により,海洋資源の活用が喫緊の課題となっている。 陸上では電波による無線通信インフラが整ったことで, 様々な物がインターネットに繋がるようになった。これにより,多種多様なビッグデータを遠隔で取得することが可能となった。海中においても,陸上と同様に水中航走体や海底ステーションなどを繋ぐ海中無線通信ネットワークの構築を実現することで,海洋資源の探索・掘削や水産業の作業効率化など海のイノベーションに寄与で きると考えられる。現在利用可能な水中における無線通信の手段として音波通信が挙げられるが,遅延が大きく通信速度も遅いことやノイズ及びマルチパスの影響をうけやすいことから,水中航走体の制御や映像伝送等のリアルタイム性が 求められる通信には不向きである。そこで,近年では光無線通信の研究が盛んに行われているが,光は指向性が高く,お互いの通信装置の光軸を精密に合わせる必要があるという課題が存在する。(1,2)そこで,我々は画像認識によるトラッキング技術を活用し,お互いの光無線通信装置が移動しても自律的に光 軸を合わせ,途切れずに通信可能な水中一対一光無線通信 システムと,可視光通信技術の一種である OCC(Optical Camera Communication)を用いた指向性の低い水中一対多光無線通信システムを開発した。本稿では,これまでに我々のシステムを活用した実証実験の概要と成果を紹介し,現在取り組んでいる魚礁や養殖網に設置したIoT機器の情報収集など実産業を想定した,点在する複数の通信対象との連続した“水中すれ違い通信”の実現可能性に関する研究を紹介する。
著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 2022 一般社団法人 産業応用工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top