抄録
木製椅子の座面には座彫り加工と呼ばれる、人の臀部形状を模した凹形状の切削が施されることがある。座彫り加工の方法として、カンナやノミによる手加工や、硬い素材で作成した型に沿って切削する倣い加工が用いられることが多い。倣い加工とは、予め加工したい形状を模した原型を用意し、刃物と同形状の円盤で原型を倣いながら、並行して刃物を動かすことで、原型と同じ形状に切削する加工法である。この倣い加工では、円盤を原型に押し当てながら加工するため、原型は変形しないように硬い素材であるベークライト(合成樹脂)や金属を用いて製作する必要があり、原型の製作に高額な費用と時間がかかっていた。また、倣い装置の操作は人が行うため、原型の全面を倣う必要があり、人的なミスにより倣えていない箇所は後から追加で加工する必要があった。そこで本研究では、硬い素材の原型が不要で、自動で加工できることを目的に、新たな加工機を開発した。