抄録
宝塚市において兵庫県南部地震後の生活支障の強さを測定し、避難・疎開の発生状況との関連を分析した。測定には影響度と名付けた計量的な指標を用いた。分析の結果、調査地域を代表する影響度 (地域指標) の値は、筆者らが未だ記録したことのない高い水準にあり、この状況が避難・疎開の発生と関連する可能性が、過去の測定例との比較を通じて明らかになった。また、避難・疎開した世帯において得られた影響度 (世帯指標) が避難・疎開しなかった世帯での値を上回ったことを確認し、影響度の値が避難・疎開の有無を判別する有用な要因の一つであることを指摘した。