抄録
本稿は3次元距離画像センサを搭載した知能ロボットが未知物体を知覚するための3次元面検出に基づく物体検出手法について論じる．以前より，未知物体の検出には様々な手法が適用されてきた．しかしながら，従来の物体検出手法では処理時間の増加や小物体の検出精度が低くなるといった課題がある．それらの課題を解決するために，本研究では3次元の面検出を用いた実時間処理が可能な未知物体抽出手法を提案する．本研究の提案手法は，粒子群最適化による物体面の探索，領域成長を適用した簡略型面検出，面の統合処理で構成されている．領域成長を適用した簡略型面検出により，少ない計算コストで小物体の面が検出可能になり，物体面の探索に粒子群最適化を適用し，面の統合処理によって安定した面の検出ができる．机の上に置かれた複数の小物体の面検出を行い，小さい面を実時間で検出できることを示す．さらに，提案手法の計算時間と面の検出精度の関係についても論じる．
