抄録
地中構造物の耐震性の検討のために, 地震時に生ずる地盤ひずみの性状の究明が必要である. この究明のために, 地盤ひずみの地震時観測を継続してきた. その結果,(1) 地表面でのひずみは純せん断場のものに近い.(2) 主ひずみの生ずる方向は地震によらず卓越した方向がある. ということが示された.
実際の構造物は地表面下にあり, 地中でのひずみの検討が必要と考えられる. そこで, 地下水面レベルでの地震観測を試行した. その結果, 地中のひずみは地表面で生じたものと類似した性質をもち, 振幅はやや大き目であることが明らかになった.