1997 年 24 巻 p. 609-612
Fl値による地盤が液状化するか否かの判定法は確立されているが、液状化した場合の構造物の被害程度の予測が難しく、そのため合理的な設計を行うのが困難である。有効応力法に基づく被害予測法が実用化されつつあるが、取扱いが難しい点もある。そこでFL値を液状化による地盤剛性の低減率と関連づける「G/G0-Fl曲線」を導入し、この曲線を利用した全応力法プログラムによる構造物の被害予測法 (FLUSH-L法) を既に提案した。この方法によれば有効応力法と整合的な予測が可能であるが、液状化以外の要因による剛性低下も含めたトータルな剛性低下をFL値のみで評価するので予測精度が悪い場合もあった。そこで地盤の剛性低下を各要因別に評価する方法を導入してFLUSH-L法の予測精度の向上を図った。