抄録
東神戸大橋は阪神高速5号線に架かる長大斜張橋であり, 1995年1月17日の兵庫県南部地震による強震動に見舞われたが, 幸い橋本体の致命的被害は受けなかった.この橋では, 長大斜張橋とその基礎の地震時挙動の解明のために, 主塔内, ケーソン基礎および周辺地盤で地震観測を行っており, 兵庫県南部地震の本震および余震が記録された.本研究では, これらの観測記録を入力として, 3次元動的相互作用解析を実施し, 観測応答値との比較検討を行った.本震の際は, 表層地盤に液状化が発生するなど地盤の非線形化が進行しており, 3次元解析に先立ち, 地盤の1次元有効応力解析を行って地盤モデルを決定した.