抄録
沖合人工島での海上空港が計画・建設されているが, 空港は大規模地震後に救援隊や救援物資の拠点となるので, 地震後においても空港機能の保持が求められている。今回エプロン (駐機場) と滑走路を対象にレベル1とレベル2の地震動を対象に地震応答計算を行い, 水平せん断振動による被害状況の推定を行った。解析モデルでは, 舗装版を平面要素に表層地盤と舗装版間をばね要素に置換した。人工島地表面の変位波形をSHAKEにより計算しこれを伝播速度1000m/secで舗装版の下端のばねより強制入力して, 舗装版に生じる応力度と目地部の残留開きを計算した。今回計算の対象とした海上空港では, レベル2の地震動に対して舗装版にひび割れが生じ目地部に0.5cm程度の残留が残るものの, 航空機の運行をきたすことは少ないと判断した。