抄録
兵庫県南部地震の際, 液状化に伴う甚大な被害がポートアイランドで発生した. 同島では鉛直アレー地震観測システムが設置されており, 異なる4つの深さに設置された加速度計により本震と幾つかの余震の記録が得られた.本研究は, これらの観測記録を用いて地盤剛性ならびにダンピングの非定常変動を算定する方法について述べたものである. ここでは, 運動方程式のせん断応力とせん断ひずみにコンプレックスエンベロップの手法を導入することでせん断剛性とダンピングの時間変動を求めている. この結果によれば, 本震の主要動において地盤表面に近い層のせん断剛性がファクター50程度の急激な減少を示すとともに, ダンピングは複雑に変動していることがわかった. 一方, 余震では, せん断剛性, ダンピングともに時間的に安定した性状がみられた.