2001 年 26 巻 p. 21-24
2001年インド・グジャラート地震の震源域を中心に, 地盤被害調査, RC建物の被災度調査及び微動観測, 余震観測を行った.広範囲に渡ってステップ状に縦ずれを起こした地盤被害や数地点で液状化が確認されたが, 地震の規模や深さから考えると, 地盤被害は全体的にそれほど大きくない印象を受けたこれは地震発生が乾季であり, 地下水位が低かったことが一因と考えられる.建物の被災程度は, 原則的にEMS98に基づいて判定した建物屋上で得られた常時微動記録をスペクトル解析し, 固有周期を推定した.建物高さと推定された固有周期の関係を調べると, 日本のRC中層建物の固有周期よりも長いこと, 被災程度が大きい建物ほど固有周期が長くなることがわかったこれらのことから, インドのRC建物の剛性は元々日本のものよりも低かったこと, 被災によって剛性が更に低下したことが推察された.