抄録
北海道開発土木研究所が管理している地震情報伝達システム (WISE) における地震動予測の精度向上を図るために, 北海道における表層地盤の増幅率に関して検討を行った. ここでは, 北海道全域の地震動予測を行うために, まず観測点105箇所の地盤情報をとりまとめ, 重複反射理論により伝達関数を求め, 工学的基盤における最大速度を求めた. 一方, 国土数値情報の微地形区分から表層地盤の増幅率を求め, 前述の最大速度にこの増幅率をかけて地表の最大速度を求めた. この結果と実際の観測記録の最大速度との比較を行った結果, 良い対応をしていることが確かめられた. 最終的に, 国土数値情報による増幅率を使って, 北海道全域の最大速度分布を作成した.