抄録
1999年-2000年にかけて、メキシコシティにおいて地盤や被災程度が異なる地域の地盤および構造物の常時微動を比較的稠密に計測し、卓越振動数や地震動増幅倍率、被災しやすさ等を調査した。メキシコシティは、1985年ミチョアカン地震で大きな被害を受けている。調査の結果、地盤の卓越振動数Fgや地盤の被災しやすさ指標Kg値は、丘陵部、遷移部、堆積部の地盤区分や1985年を含む過去の地震被害状況と調和的な変化を示すことが確認された。また建物に関しては、1985年の地震後の調査結果と比較した。
本研究では、発生が恐れられている地震に備えて的確な耐震診断技術を確立することを目指している。