抄録
全世界の石油埋蔵量の約16%に当たる原油が氷海域に存在すると推定されている. 陸域, 海域における巨大油田が発見し尽くされた現状において, 今後氷海域における油田の開発が期待されている. 本研究は, 氷海域に重力式構造物を建造する場合を想定し, 氷荷重と地震力が同時に作用する場合の構造物基礎地盤の安定性について検討するため, オンライン動的応答実験を行った. その結果, 主要な波が数波しかない不規則波よりも, 一定の大きさで長期間繰返す規則波の方がより大きな残留変形を与えることが明らかになり, 衝撃的な直下型地震よりも継続時間の長い海洋型地震の方がより大きなダメージを与えることが確認された.