抄録
1999年トルコ・コジャエリ地震の前後に被災地を観測した人工衛星SAR画像を用いて, ギョルジュクにおける被害地域での後方散乱特性の変化を検討し, 1995年兵庫県南部地震での結果と比較した.その結果, 両地震では類似した傾向があり, 被害程度が大きくなるにしたがい2時期の後方散乱強度の差分値と空間相関値が小さくなることが明らかになり, 兵庫県南部地震での人工衛星SAR画像と現地調査データとの関係に基づき構築した建物被害地域の抽出手法がトルコ地震での建物被害の検出にも利用可能であることを示した.この手法を2001年インド・グジャラート地震にも適用し, 被災地を観測した空撮画像との比較から手法の妥当性を検証した.