抄録
医療機関は緊急時、平常時にかかわらず、人命に関わる重要な役割を担っているが、特に災害時においてその機能を保つことは、救急・災害医療の最低条件となる。医療施設は医療活動を行うために様々な機能を備えており、医療機能はこれらの要素や機能に依存関係している。本研究では、その関連関係を分析し、医療活動が継続可能となるリスク要因を抽出する。また、広域的な救護活動も検証し、被災地における災害医療について総合的に考察する。今後の医療施設計画と救急・災害医療支援システム検討に役立てることをめざして、新潟県中越地震の被害と救急・災害医療活動調査を通して検証を行う。