抄録
水道は, 都市化された社会において重要な社会基盤施設の1つであることから, 災害時においても, 最小限の被害に抑え市民生活を維持させる必要がある. これらの対策方法については, 配水管路の耐震化が最善である. しかし, その構築に要する期間および投資額が膨大となる可能性がある.
本研究では, 配水管を管路ネットワークとして考え, モンテカルロシミュレーションを用いることで, 地震による管路破損を再現し, 管網レイアウトの違いによる災害時の断水率の軽減効果を検証した. さらに, これらの数値シミュレーション結果から推定投資額とその効果についても試算し, 費用対効果分析を行い, 将来的な管網整備のあり方とその投資効果について一考察を示した.