2007 年 29 巻 p. 1109-1112
2004年新潟県中越地震では, 震源近傍の長岡市, 小千谷市などの多くの地域で斜面災害が発生した. その原因は, この地域はグリーンタフの地滑り地帯であり, 斜面を構成する堆積層が活褶曲運動により風化が進み非常に脆弱であったことが一因として考えられる. これらの斜面崩壊の多くは硬質な泥岩上部の砂岩で生じている.
本研究では, 旧山古志村東竹沢地点より不撹乱採取した砂岩を対象に, 一軸圧縮試験や非排水三軸せん断試験を行った. さらに, 得られた結果を他の地点より採取した砂岩や砂質土のそれと比較し, 地震により大規模な地すべりを生じた砂岩のせん断特性を調べた.