2007 年 29 巻 p. 1432-1438
本研究は, 鋼製ピン支承を対象としたハイブリッド実験の結果から得られた鋼製ピン支承の履歴特性を用いて, 鋼製ピン支承が橋梁全体系に及ぼす影響について検討したものである. 特に, 強震時挙動について着目し, 周波数特性の異なる2種類の強震観測記録を入力地震動として用いた解析を行った. 検討の結果, 鋼製ピン支承の挙動を考慮することで, 入力地震動や入力方向によらず, 上部構造の最大応答変位が増加する傾向が見られた. さらに, 橋軸方向では, 入力地震動の周波数特性差により, 橋脚基部の曲率に対する鋼製ピン支承の履歴の影響に差が生じる結果となった.