2007 年 29 巻 p. 1439-1444
本報告は, 振動台を用いた鉄筋コンクリート単柱の破壊実験を複数の解析法によりシミュレーションした結果と, 各解析法の適用性に関する考察を報告するものである. 曲げ破壊型とせん断破壊型の 2つの異なる模型実験結果に対して, M-φモデル, ファイバーモデル, 有限要素モデルによる動的解析法を適用してシミュレーションした結果, M-φモデルとファイバーモデルは曲げ破壊型供試体の振動特性を一定の精度で再現できたが, せん断破壊型の供試体の変形状態を再現するのは困難であった. 有限要素モデルではせん断破壊後の挙動もおおむね再現できており, これらのシミュレーション結果から各モデルの適用性が明らかになった.