抄録
液状化地盤における土構造物の耐震設計では, 近年, 動的有効応力解析の残留沈下量による精査が行われるようになってきた. しかしながら, 変形性能評価が解析コードの選定や液状化パラメータの設定に大きく依存することから, 解析結果の信頼性に対して不安定要素が残されているのが現状である. 本研究では, 1971年2月9日のSan Fernando 地震において被災した2つのダムを対象に, 浸透流解析, 築堤・湛水解析および動的有効応力弾塑性解析を行い, 観測記録との比較・検討を実施した上で残留変形が生じるメカニズムを解析的に明らかにした. 本研究で実施した手法により崩壊が生じたLower San Fernandoダムと崩壊に至らなかったUpper San Fernandoダムの被災状況を良く再現できることを示した.