環境システム研究論文集
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雫石川におけるハビタットの変化と冠水頻度との関連について
萱場 祐一
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2000 年 28 巻 p. 347-352

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抄録

近年、自然裸地の減少、樹林地の増加が日本各地の扇状地河川で報告されている。このような河道内のハビタットの変化は河原に依存する生物の減少等様々な問題を引き起こしている。本研究ではこの要因として冠水頻度を取り上げ、これとハビタットとの関連性を検討した。対象としたのは、ここ数十年で裸地の減少、樹林化が生じた雫石川で、空中写真から約50年間のハビタットの分布と河道形状の変化の把握、そして、過去の日流量データに基づく水位計算結果から、各ハビタットの冠水頻度を調べ、木本地及び裸地と冠水頻度との関連性を探った。この結果、1-5日/年程度の冠水頻度を境界とし、河道内の裸地及び木本地が占める面積の割合が変化することを示した。

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