建物群の効果を考慮して建物問気温を予測できる都市キャノピーモデルを開発するとともに、このモデルを組み込んだ三次元数値モデルにより、真夏日の東京23区を対象とした熱環境シミュレーションを実施した。その結果、日中の建物間においては、都心の北西側のみならず人工排熱密度が極めて高い都心や副都心でも気温が高くなるという解析結果が得られた。続いて、人工排熱が建物間気温に及ぼす影響について解析を行った。その結果、人, 排熱量を一律に50%削減した場合、日中の建物間の気温は建物直上よりも約2倍低下しやすいこと、建物間に放出される人, 排熱量の50%を建物直上に放出させた場合でも、日中の都心の建物間では、人工排熱量を50%削減した場合の半分程度気温が低下することが示唆された。