抄録
本研究は、『湖の子』という滋賀県下全小学校5年生を対象とした体験型環境学習プログラムを通じた児童の空間認識の変化を自由言語連想法を用いて調査分析し、「体験型環境学習実施前後による違い」「居住地域の違い」「環境学習の充実度の違い」の3点から考察をおこなった。その結果、湖の子によって児童は [自然] 環境に対する認識を膨らませる一方、それとは対照的に日常空間に対する認識を狭くする傾向を持つことがわかった。また居住地域や環境学習充実度が児童の空間認識に影響を及ぼしていることが明らかになった。それらの結果から、環境や子どもたちの認識の度合いに応じた、効果的な体験型環境学習のあり方について提言をおこなった。