抄録
現在, 社会が直面している廃棄物問題に対処するためには, 廃棄物処理だけに頼らず, 家庭のラ イフスタイルの変革や社会システムの改善による対応が必要となってくる. 本論文では家庭ごみに注目して, 物質収支則の観点から家庭の財-家庭ごみ変換機能をモデル化する. このモデルは家庭の財の購入量推計とごみ発生モデルからなり, 前者は家計への財の購入金額から家庭への物質搬入量を求め, 後者は物質搬入量からごみの組成別ごみ発生量を求める. 財は1年以内に消費される消費財, 家庭にストックされる耐久消費財, そして容器包装材に分けて取り扱い, 耐久消費財では時間廃棄率を考慮し, 容器包装材では産業連関表から搬入量を推計する方法を提案した.