抄録
本論文は、都市環境問題、特に上下水、固体廃棄物、大気分野を対処するための地方政府の能力向上のプロセスについて、検討を行った。地方政府の能力は、アセスメント能力と対策実施能力として分類できる。アセスメント能力は、モニタリング能力を含むと同時に、汚染が齎す社会経済への影響も含まれる。対策実施能力は、計画、規制、行政、社会、資金、技術における諸側面の能力を意味する。そして、地方政府の能力向上のプロセスの中で国際協力の役割を論じた。北九州イニシアティブは、国際環境協力が如何に地方政府の能力向上プロセスに寄与するかが示され、一例として挙げた。