河川環境評価法の一手法であるIFIMはわが国に紹介されて約10年となるが, 未だ事業として広く用いられるにいたっていない. そこで本研究ではIFIMを基本とするより簡便な評価手法について検討した. カジカ大卵型を調査対象とし, 簡便化の鍵となる評価の空間スケールを瀬-淵が一単位となる程度において検討を行い, さらに流程方向に広く評価地点を設けた場合, 流速や水深, 底質といったその場の物理量の情報からのみでは適切な評価は困難であった. そこで, 重回帰分析によって他の必要な環境要素を抽出し付け加えることにより, 適切な評価が可能であることが示された.