抄録
現在の都市環境問題は, 自動車交通に起因する部分が非常に大きい. しかし, 自動車を抑制するための環境施策は, 社会経済に与える影響も多大であることが懸念されている. そこで, 本研究では, 極力, 社会経済への影響が小さくかつ環境負荷の抑制が達成できる環境施策を見出すために, 立地均衡を考慮した応用一般均衡 (CGE) モデルの開発を行った. CGEモデルは, これまでも環境政策の社会経済へ与える影響まで含めた評価を行うための手法として用いられてきた. しかし, 都市環境施策を評価するためには, 従来のCGE分析の枠組みに加え, 主体の活動拠点を決定するメカニズムである立地の分析も必要と考えたものである. さらにここでは, 開発したモデルの挙動を確認するために, 大阪府を対象とした簡単な数値計算も実行した.